創業の精神(当社の原点)
大正初期(1915年ごろ)、創業者の両親は小作で生計をたてていました。小学生時代のある日、母親の荒れた痛々しい手を見た創業者は、何かしてあげられないかと考えました。「手袋を買ってあげよう」そう決心した創業者は田んぼで供花を育て、姫路の市場で売ってお金を稼ぎ、手袋を買って母親にプレゼントしました。そのとき、母は涙を流して喜んだそうです。それを見た創業者は「母親をもっと楽させてあげたい」と心の中で強く思い、起業を志すようになりました。
そして、尋常小学校を卒業すると、将来の起業を夢見て、経営学・技術の習得に一所懸命励みました。ところが、昭和初期、勤めていたマッチ会社が廃業に追い込まれました。そのとき創業者は、「家族、仲間を路頭に迷わすわけにはいかない」と兄弟の協力を得て、若干26歳で嵯峨山燐寸製造所を創業したのでした。創業者は家族のために、社員のために、寝る間も惜しんで働きました。その甲斐あって事業は順調にいきました。しかし、自身は質素な生活を心がけ、剰余金は小学校やお寺、地域社会へ寄付し、また、戦中、戦後は食糧難の時代でしたが、闇米を買うことなく家族には代用食を与えるのが常だったそうです。
貧しい小作農家に生まれ、満足に学校へも行かしてあげられなかったのに、初心貫徹した息子の成功を誰よりも喜んだのは創業者の母でした。創業者もまた母の喜びを我が喜びとして、人様に喜んでいただくことに生涯貫いたのでした。
このような創業者の人生観・仕事観が連綿として、現在に引き継がれています。我々はその思いを引き継ぎ、一人一人が神戸マッチグループの社員としての誇りをもち、「お客様に喜んでいただくこと」を第一に考え、誠心誠意ベストを尽くしていきます。
基本理念(我々のとるべき経営姿勢)

80年間の歴史、そこには4つの進化軸が存在しています。
私たちは常にお客様のお役に立つために変化に挑戦し、進化を続けてきました。そうして築きあげた業界No1企業としての歴史に、社員全員が誇りをもち、一丸となって、お客様、地域、時代ととも進化してまいります。
一.お客様ともに
私たちは、お客様の多様化するニーズを迅速にキャッチし、お役に立つ製品・サービスを提供します。
一.時代とともに
私たちは、時代が求めるCSR(企業の社会的責任)を果し、健全な経営を実践します。
一.地域ともに
私たちは、積極的に地域振興に貢献し、地域と共生する企業を目指します。
一.グループ社員全員で
私たちは、グループ社員の強みを持ちより、お客様のお役に立つ新しい価値を創造します。
経営目的(我社が実現すべきごと)

私たちはお客様の期待を超える満足の実現に拘ります。それがお客様に感動していただき、信頼いただけ、社員の喜びへとつながると考えるからです。そして、私たちは仕事を通じて自己成長し、職場の仲間とともに、物心両面の幸せを実現していきます。
事業目的(事業を通じて実現すべきこと)
一. 販売支援業として、お客様の増客に貢献する
一. 地球に、人に優しい製品を通じて、生活文化創造する
一. オンリーワンマッチメーカーとなり、マッチの文化伝統を後世に伝える。
ごあいさつ
「創業の精神」は、私たちが壁にぶち当たったとき、行く先を見失いそうになったとき、私たちに進むべき道を諭してくれ、勇気を与えてくれます。時代がどんなに変わろうがその原点を忘れることはありません。そんな思いから、お客様に当社の原点を知っていただきたく紹介させていただきました。
昭和4年に創業した祖父、信用と多角化によってグループを発展させてきた父、そして3代目の私に与えられた使命は、「経営目的実現のために、21世紀に成長し続ける企業を作り上げること」です。そのために私は、『共に進化する』という基本理念を実践してまいります。
われわれの事業領域は、すでに製造商品の粋を超えセールスプロモーション全般に拡大し、お客様のニーズも多岐に渡ります。そんな中でお客様のお役にたてることは何かを考えに考え、打ち出したコンセプトが『@10円でできるオリジナル広告いろいろ』です。われわれが何十年も作り続けているマッチ、そして、事業の多角化で取り入れてきたポケットメモ、ポケットティッシュ、コースター、いずれも、低価格宣伝物という顔を持っています。今後は、他社とのコラボレーションによりこのコンセプトを充実させていきたいと考えております。これが私どもの第一の顔である「お客様の増客に貢献する販売支援業」です。
現在でこそ、日常生活でマッチを使うシーンは少なくなりましたが、マッチは火をつけるための道具として、日本の生活文化を創造してまいりました。今後は製品に地球、人に優しいというコンセプトを加え、新しい生活文化の創造に貢献してまいります。第二の顔は「地球、人に優しい製品を供給する生活文化創造業」です。今後とも、進化する燐寸(マッチ)会社をどうぞよろしくお願い申し上げます。
代表取締役 嵯峨山 真史(さがやままさふみ)
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